はいら日記

犬の顔にはめるバケツみたいな何かと数千万円するエルメスのバッグばっかり宣伝される

親族の京都旅行①

朝っぱらからトラブル

祖父母と母、叔母、従兄弟が旅行しに来るらしいのでついていけば良い食事にありつけるかもしれないという魂胆のもと色々なタスクをこなしていた私。この朝私は彼らが下宿に来ることに備えて部屋を片付けた上、ずっとためていた絵を2枚も徹夜で描き上げ6時ごろにやっと就寝して爆睡していた。8時台に目が覚めて携帯を覗くと母からの着信がある。

私「むにゃむにゃ…今起きました。何?」

母「あらごめんね、私今新横浜にいて…おじいちゃんが迷子で!!…遅れていて!!!

 なんとかかんとか!!!!!」

なにやら複雑な状況になって母と祖父が遅れているらしいがこっちは寝ぼけているし母も慌てているしで2割くらいしか理解できない。とにかく予約していたなんだか良いランチにこのままだと2人間に合わずキャンセル料が全額取られるがそれはあまりにもったいないので私の友達を2人ほど呼んで来いとのご指示である。

そんなこと言われても夏休みの大学生なんて帰省か旅行かバイトか寝坊の4択なんだから急には見つからんやろ…。でももったいないしとりあえず親しい人にラインしてみるか…というわけで適当にラインを乱れ打ちしていたが、ここで私は親しい友達が少なすぎるという現実に向き合う羽目になった。

なんとか連絡がついた人は全員予定が合わず、ストーリーで呼びかけてみても私の人脈では当然連絡は来ない。どうするんだこれ…と頭を抱えていたら母から再び電話があり

母「間に合いそうだからお友達にキャンセルの連絡して!」

とのことである。人なんて見つかっていなかったのだからちょうど良かった。事情を話していた友達も良かった良かったと言ってくれた。

何とかなるらしいので私は集合場所である貴船への電車に乗り、道中でベルモット・キャロルをたたき起こした。ベルモット・キャロルとは私が大人を相手にするときの人格で成績優秀だが謙虚、優しくてきぱきとして溌剌とした完璧な優等生という設定のもと動かしている。名前は高校時代からの親友が付けてくれた。

何だか良いランチというのは貴船の川床で懐石を頂くということらしい。料亭の席に着くと母だけが少し遅れると言われたが、私は勝手に祖父が東京駅で迷子になり彼を探していた母と揃って遅れたものだとばかり思っていたので叔母にどういうことか詳しく聞いた。話によると、

祖父と祖母が地元の駅ではぐれる→祖父は独断で新幹線に乗り勝手に京都に着く→母はその間祖父を東京で探している→とりあえず京都に向かった叔母達が京都で祖父を発見

という流れらしい。地元ではぐれるとはどういうこっちゃ。毎回そうなのだがこの時点で私は完全に祖父母についていけなくなった。

盛大なる誤字

祖父母が私の誕生日祝いも兼ねてお小遣いを渡してくれたのだが、地元銀行の封筒ににじんだ筆ペンで書かれた字を見たところなんと盛大に私の漢字を誤字っているではないか。私の名前の一文字が「邪」という文字に入れ替わっている。もしかして私のお小遣いではないのかな。流石の私の両親でもそんな悪そうな名前は付けない。やっぱりついていけないわ…。

ハッピーランチ

川床は本当に涼しく素敵な場所で料理も美味しく幸せな気分になった。

見よ、この怒涛の一品ずつ撮った写真を。

従兄弟クソガキ化

子供用の料理を食べていた従兄弟が私に大きな海老天をくれ、その代わりに皆の素麺を3人前分くらい集めて食べていたが海老天より素麺が好きとはけったいな小学生もいたものである。彼のことは生まれた頃から可愛がっているのだが、久しぶりに会ってみたら身長は伸び、親戚には全然口をきいてくれず行儀も悪い典型的な小学生男子になっていた。私もそのくらいの頃は行儀のぎの字も考えていなかったのであまり責められないが。

祖母が「後ろのアベックも私達と同じもの食べているね」と話しかけてきたがなんと答えれば良いのか分からない話題な上にアベックの意味がいまいちわからない。状況的に恐らくカップルのことだろう。(フランス語でwithという意味でバブルのころにはやった言葉らしい。)とりあえず「そうね、アハハ!」と返しておいた。

鞍馬寺

食事を終えた私達は鞍馬寺に行くことにした。電車に乗っていくのだが、私は3月頃に交通ICを失くし今日まで新しいものを作っていないということを親に黙っているのでカードを下宿に忘れてきたと必死に主張したところ首尾よく信じてもらうことに成功した。

初めて来たが鞍馬の駅はとっても良い所。

ケーブルカーで登りさらに階段を少し登ったところに本堂があるので足が悪い祖父母はケーブルカーの駅のベンチで待ち、私、母、叔母、従兄弟だけでお参りに行った。

眺めが良い。

母がこのトラをロールパンみたいと言って気に入っていた。

叔母と従兄弟は山道を下ると言っていたので別れ、駅に戻っていくと祖父がいない。また迷子になったのかよ。祖母に聞いてみると勝手にどこかに行ったと主張している。母が通りがかりに人に聞いてみても皆見ていないと答え、皆で必死になって探していると最終のケーブルカーが出発する直前に叔母から祖父を捕獲したとの連絡があった。

祖父はトイレに行こうとして見当たらずかなり上の方まで上って行ってしまったらしい。それを聞いた祖母が腹を立ててふもとのケーブルカーの駅まで下りてくれば良かったじゃないかと食ってかかった。そんなことしたらますます迷子になったはずだと祖母に言っても聞く耳を持たず物凄い剣幕で言い合いを始めた。母も私も最初は何とか仲裁しようとしていたが途中で完全に諦め「あのお店素敵」「牛若餅って何だろう」「美味しそうね」と会話し始めた。

突然母が「尾行されている!」と叫んだので何事かと思って振り向くと別ルートで下山していた従兄弟と叔母が物陰から飛び出してきた。このショックで祖母と祖父の喧嘩はとりあえず収まり、街中に戻って大学を案内した。

大学周りさんぽ

大学のグッズを売っているコーナーで祖母がやたらと私に何か買ってくれようとしたが、通っている大学にそんなに興味無いので断った。

母と祖父母が私のバイト先にディナーを食べに行ったが、私は恥ずかしいと言って断ってしまったので叔母と従兄弟と大学周辺をぶらぶらして回った。あちこち連れまわしたが、どこも早くからシャッターを下ろし始めてしまったので大体徒労に終わってしまった。しかしたくさん歩いたおかげでお腹が空いたので、最初は空腹でないと言っていた従兄弟は大盛のパスタをあっという間に平らげてしまった。私は辛いパスタをごちそうになった。辛いものを食べながら大量の水分を取るのが好きなので楽しかった。美味しかった。

ハプニングだらけで疲れたがとりあえず1日目終了である。