はいら日記

ぼっち大学生…それは世を忍ぶ仮の姿。夜な夜な私はカップルを4組狩りハートを集めて四つ葉のクローバーにして世界にhappinessを届けるヒーローに変身するのである

古着

母がクローゼット整理しているのを後ろから勝手にのぞき込んだら大変可愛い布がちらりと見えた。

私「何それギャワイイイイ」

母「これ?おばあちゃんがくれた。40年以上前のだと思う。私は似合わなかったけど。                   着る?」 

私「着る着る着る着る着る着る着る着る」

こうして私はレトロなワンピースを手に入れたのである。赤いプラスチックを金色の部分が囲んでいるボタンが特に素敵だ。

それはそうとして今の私は寒さに耐えるためにタイツとヒートテックが手放せないのだが、ヒートテックはまず持っている枚数が少ないうえに何年前に買ったかもわからず伸びきってペラペラ、タイツは穴だらけなのを何とか誤魔化して履いているという有様である。タイツとヒートテックを恵んでくれと母に頼み込んだところ、一緒に買いに行くことになった。ユニクロに行って諸々買い込んだらなぜかカップラーメンが貰えたのでこの日の夕食になった。三人で一つのカップラーメンを分け合うというのもあまりに質素な話である。

母に古着屋に連れていかれた。いろいろ試着しまくったが結局スカートとベレー帽しか買わなかった。痩せていたらもっと様々なものを着こなせるので、ちょっとダイエットを頑張らなければ…減量を大成功させて体重をマイナスに突入させ、科学では説明できない存在になりたいのだ。ベレー帽はフランス製のいいものらしく、私にはそれなりに似合ったが、母が被ると完全にその辺の芸術家気取りのおばさんだったので面白かった。愛用しようと思う。母が帰った後も街をぶらぶらして、古着好きな人間はベージュ系とストリート系の2種類しかいないという発見を手土産に帰った。そういえば最近左足の親指の付け根が異常に痛むのだが病院に行った方がいいのだろうか?

おしまい。

 

 

R参上day4,そして帰省

この日は大変稀なことであるが朝から起きられたのでモーニングを食べに行った。人類で一番幸せな朝を過ごせるのがこのセットだというのが私の持論である。お茶をカップでなくティーポットで提供してくれるのでコスパも良い。ゆっくり出来たらよかったのだが、急いでいたので慌てて全部飲み干した。熱くて飲めなかった分はお冷に入っていた氷を入れてスプーンで高速攪拌して一気に流し入れた。こんなに急いだのに、来たバスは混んでいて乗れなかったのである。何のために3年間ラッシュに耐えつつ都会の高校に通ったのだろうか、まさしく今日のためである!と主張したのだが、Rにあなたの荷物大きいし無理だよと理性的に諭され、やめた。路上にこんなものがあったのだが、極悪非道な患者がいたに違いない。

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アメリカで道端にショッピングカートが放置されているのはよくある光景。のだが、日本で、しかも病院のものがこんな目に遭っているのも珍しい。カートも哀れである。

東寺に行ったのだが、その中にあると話題の洛南高校も見ることができた。世界遺産の中をランニングしていく部活が格好良かった。それにしても関西の進学校は洛何とかが多すぎて訳が分からない。

五重塔、やはり凄味がある。個人的に心に残ったのは火事に巻き込まれた跡が生々しい平安時代からある四天王像だった。大きな仏像が炎に包まれているのを想像しただけでもぞっとしたのに、実際に見たらあまりの迫力と美しさに泣いてしまうかもしれない。曼荼羅を間近で見られたのも心に残っている。警備のおじさんが仏像の顔が怖いと泣く子供にインド出身だからだと雑な説明をするのが好きだった。そういえばRが呟いていたのだが日光菩薩月光菩薩の違いとは何だろう。あとで調べておこうと思う。

その後水族館に行ったのだが、私たちと入れ違いで学部のつまんないツイッタラー達が来たと後に知ってなんだか微妙な気持ちになった。それはそうとしてイルカショーや大量のオオサンショウウオなど、いつ行っても面白いものであった。めちゃめちゃ寝るオットセイ。この後ろに器用に浮かびながら寝ているのもいた。

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ミズクラゲの中にはたまに胃腔の数が4でないものがいるのだが、私はこれを探すのを

水族館最大の楽しみとしている。私の推し、ニシキテグリ。小さくておちょぼ口で、一匹しかいなくて、アフリカの布のような模様をしていて、いつも目立たない所にいるのが本当に好きだ。勢いに任せて前々から欲しかったオオサンショウウオのぬいぐるみも買った。

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これはぬいぐるみに「外」を教えているところである。

Rもお土産を買い終わり、無事新幹線に乗ったところで彼女が私の買ってあげたクロワッサンを尻で潰してしまった。しかしクロワッサン以外は全員無傷で東京に戻ることができた。私は実家で前回の帰省以降に起こったことを機関銃のように話して聞かせ、お土産を渡して今に至る。おしまい。

R in 京都 day 3

AKIRAを観たせいで布団から這い出る時間が恐ろしく遅くなった私はそれでもRを私のお気に入りの地区に連れて行った。このあたりは静かで落ち着いた感じが好きなのだ。美術館や動物園もたくさんあるし。上野や浅草から下品さを抜いた感じ、とでも形容すればよいのだろうか。

いつ見ても本当に好きな庭園なのだが、前来た時には元気いっぱいだったカメ、コイ、魚たちが身を潜めていて寂しかった。さらに古典に登場する植物が植えられているのだが彼らも軒並み(地上には)姿を現しておらず、説明版の前がことごとく虚無の空間になっていた。冬らしい景色を楽しみたいなら雪の後に行けばよいのだろうがそんな気力はない。

庭園を出たらRが見つけたうどん屋に行こうとしたのだが混んでいて諦めた。(Rは夜に行ったらしい。熱々の状態でもわかるほどコシが強かったらしい。私は授業なので行けなかったトホホ) 代わりに入った洋食屋のオムライスが卵からチキンライスからソースまでくまなく美味しくて口に入れた瞬間感動した。最近オム何とか系のものをたくさん食べているがその中では断トツに好きだ。ガストで食べたオムライスはソースのせいでチキンライスがチキンライスであることが全く意味をなしていなかったのだが、ここではそんなことは全くなかった。古いディズニー映画でしか見たことないような小さな眼鏡をかけた活舌の悪い店員さんが手際よく店を回し、お冷をインド人のような超絶技巧、洗練された動きで継いでくれる店であった。

そのあとはウサギを祀る神社に行った。石像からのぼりに至るまで皆ウサギが描かれていた。安産の神らしく、生まれてくる子供の健康を願う絵馬、家族の幸せを願う絵馬で溢れる様子を見ていると某縁切り神社との落差で笑ってしまった。

アンティークショップを覗いたりお土産を買ったりして私は授業に出たが全く身に入らなかった。夜にしたいことも特になかったのでRと家でダラダラしていたら、ピッチ・パーフェクトという映画を観させられた。おしまい。

R参上 The day 2

年末ぎりぎりまで授業をしてくる鬼畜大学の学生であるところの私はこの日1限から授業があった。しかしながら12時間寝たため起きたと同時に授業が終わった。レポートに必要な本を借りるために学校に行ったが1冊借りてとんぼ返りしてきてしまった。オンライン授業のために部屋で待機したが一向に始まらず、欠席を重ねすぎたためにもう余裕がない男子たちがラインで阿鼻叫喚になり始めた。諦めた者によると単位取得は甘え、再履修こそ至高とのことである。

清水寺に行っていたRと合流すべく清水に向かい、その辺で散歩していた。昔崩れたと話題になっていた茶碗坂を通りかかったので写真に収めておいた。

Rの要望により某縁切り神社に向かった。かつて遊びに来たTの、縁切り神社の闇深絵馬の話を聞いた時のビー玉のように輝く表情を思い出す。Rは本気で悪縁を切り良縁を結びたかったらしく本気で祈っていたが、私はその間またもや個人情報と人間の闇渦巻く絵馬を眺めて楽しんだ。

手水のところにあったこの植物、ヒカゲノカズラだと思うのだがこんなところにあるのが不思議だった。

祇園の方に行ってRが見つけてきてくれたおいしい餃子屋に行ったが混んでいたので予約だけして花見小路を散歩しまくった。舞妓さんも何度か見かけた。そういえば私の将来のお金持ちになって大学の友達と京都に戻ってきて高い店に行くというものがある。第一関門であるところの卒業後も関係が続きそうな友を得るというのがまだ突破できていないのだが。

げふざ。皮の主張が少なく、パリッとしていて美味しかった。韮と生姜を二人で分けて頼んだら半分ずつに分けて焼いてくれたので嬉しくなった。これを食べた後にしんそばを食べに行こうと思ったが狙っていた店が閉まっていたのでRがその場で調べてくれて別の美味しいところで食べられた。Rはいつも美味しいお店を入念に調べてくれるので本当にありがたい。こちらに引っ越してきて一番食を楽しんだ日々だったかもしれない。にしんそばは見た目よりもずっと美味であった。ずっとニシンが何となく生臭そうと思って食わず嫌いしていた自分がバカみたいだ。

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店の雰囲気もそばの味もほっこりしていて思わず長居してしまった。各種芸能人の色紙が飾られていたのだが、市川海老蔵はいちかわABぞうとサインするということ学んだ。ちなみにテレビなしで13年間生きている私は彼のことを雀の涙ほどしか知らない。

家に帰ったらRにイケメンのタイ人などをたくさん見せられたがよくわからなかったのでAKIRAを見ることにした。主人公はあきらではない、バイクの話ではないということには驚いた。個人的には宙に浮くバイクのようなものに乗って駆け回るシーンの映像技術に感心した。そして金田のバイク超かっこいい。横向きに停まるシーンを自転車でぜひ再現できるようになりたいものである。ジャケットの背中に描かれたカプセルの絵も妙に琴線に触れたのだがネットを見ても誰もそこの話をしていなかった。もう一度見たいがもう無料公開期間は終わったので守銭奴としては残念極まりない。そしてAKIRAを夜遅くまで観ていたせいで翌日も余裕の寝坊を決めたのであった。風呂に入りたくない、髪を洗いたくないとぐずるRに「でも頭が一番臭くなるじゃん」と言った心の底から感心した様子で「良く知ってるねえ」と言われたが彼女は私のことを人間以外の何かとでも思っているのだろうか。おしまい。

R,参上

高校同期のRが遊びに来た。許しがたいことに彼女の大学は私たちよりもかなり早く冬休みに入るのである。彼女を部屋に泊まらせるために徹夜で部屋を片付けていた私は風呂洗い、トイレ掃除まですべて終え大急ぎで風呂に入り、びしょびしょの頭で考えた。これは自転車で彼女を迎えに駅まで行ってもいいものだろうか。外は雪である。携帯を覗くと朝のうちに雪は止むとの予報である。バスで行った際の交通費と天秤にかけ、自転車で行くことを選んだ。しかしこれが大誤算で私は吹き付けるつぶてのような雪、狭まる視界、刺すような寒さと戦うことになった。顔の目から下は眼鏡とマスクでおおわれているから良いのだが、風で前髪はどこかへ消えて額に雪が突き刺さる。眼鏡が真っ白で何も見えなかったせいで気づいたときには目の前に階段が迫っていた。朦朧としていたのでスピードに任せてマウンテンバイクのごとく駆け下りたが、明らかにこの自転車の本来の用途とは異なっている。寿命も近いかもしれない。指先も冷え始めいよいよ危険な状態になってきたところでやっと駅に着いたが友達が見つからず、髪を振り乱した真っ白メガネの自転車を押す謎のびしょ濡れ女に腰を抜かす人々を横目に駅を徘徊した。やっと会えたRには爆笑されバカ扱いされたが、そうこうしているうちに空は晴れ上がり私の苦労は報われたのであった。Rはそれにしてもバカすぎると言っていたが。

東本願寺に行った。本願寺は二つとも超豪華な内容で展示も見れたり、お茶を飲めたり休憩したりできるのに拝観料がいらないので浄土真宗の財力とは凄いものである。

夜行バスに乗ってきたRも徹夜で作業したうえ死線をくぐってきた私も疲労凄まじく一旦家に帰って休むことにした。

休んだ後Rが行きたがっていた店に昼食をとりに行くことになった。一日に提供できる数が限られているらしい。いつもインスタで同級生がおいしそうなご飯を食べているのをを見てなんとなく羨ましさを感じていたので、私もそんなご飯が食べられるかと思うとテンションも上がるのである。鴨肉を食べたのだが、鴨って鳥のくせに牛肉と似ていてすごいなと思った。

二人でその辺を散歩し、Rは雪でぬれた靴の代わりに新しいものを買った。高校同期kが合流して三人でパフェを食べた。恋愛の話になって思ったのだが、私が自他に関わらず恋愛にほとんど興味がないのを親しい人たちは知っていて他人のうわさ話すらも聞かせてくれない。そのせいでただでさえ恋愛を捨象している私の世界はどんどん取り残されていく。別に良いのだが、なんかあったら聞かせてね❤。Kは私が雪の中ひどい有様になってRを迎えに行った話を聞いて「愛だね」とコメントしたのだが、この話を私のおバカエピソードとして笑い飛ばした他の有象無象には絶対出せないこの言葉に私はいたく感動した。彼女は思考回路に含まれている人徳の量がそこらの人間どもとは段違いなのだ。その後は帰宅し、風呂に入って爆速で寝た。Rによると12時間寝たらしい。おしまい。

をゝけすとら

お久しぶりです。最近は特にどうと言うこともなく淡々と部活に行ったり寝坊したりして過ごしていた。土日は年賀状作りに追われ丸二日下宿に閉じ込められたもののつつがなく早割期間内に仕上げられたりもした。父の絵を綺麗に描き直すという大命も果たした。

母は絵が盗まれるくらい上手いのだが、父ときたら何年か前のセンター試験のリスニングのきゅうりみたいな顔の絵しか描けない(これは少し違うが)。この無理ゲーな口を何とかした私を褒めてほしい。

オーケストラを聞きに行く

昨日、またもやブックオフに漫画を買いに遠征していた私はお気に入りの漫画の欠けていた巻を手に入れ、切望していたヒストリエの6巻が、6巻だけがあるのを見つけて天にも昇る気持ちで歩いていた。するとそこに1通のラインが届く。高校同期のkがオーケストラで演奏するのだがチケットを1枚譲ってくれるという。もちろん二つ返事で了解した。

学校に行って部活が同じの超面白い子Oに授業で会ったのだが、私の野生の勘がこの子もkからチケットを渡されているのではないかと告げていたのでもしそうなら絶対一緒に行きたいと思い鎌をかけてみることにした。(kとOは学科が同じなのだ)

私「今日kのオケ観に行くんだ~」

O「ほんと?僕も行くよ」(Oは僕っ娘である)

ビンゴである。ここぞとばかりに終業後に落ち合う約束を取り付けて別れた。次の授業が生徒の発表を聴く回だったのだが、これがまた面白かった。ナッジの話、水草の話、かつて京都駅付近にあったという巨椋池の話…

へえクワイ水草なんだ、それはそうと昔ジュンサイを初めて見た時そこが魚屋だったからワーム類か何かかと思ったな、私が興味津々だったから母が買って夕食にしてくれたな、ワームと言えばミミズもクモも昆虫ではないが「虫」ではあると小学校で習ったが納得いかないな、そもそもその情報を義務教育に組み込む意味が分からない、関係ないけどこの前見た陰謀論垢とオタ垢を兼用している女オタクは初めて見るタイプで面白かったな、そしてあの法学部の人苦手だな…と思考を明後日の方向に飛ばし、戻ってきたら授業が長引きそうだったので勝手に抜けてきた。

無事Oとも会えてコンサートホールに向かうことになった。途中彼女にそっくりなニット帽に服装まで似ている人が現れ私の近くに止まったので一時混乱に陥ったがどうにかこうにかホールに着いた。イルミネーションがかわいい。こういう感じのホールに来るのは高2の合唱祭ぶりだろうか。まだ中1でぼやぼやしていた頃、母にいきなり高校の文化祭に連れていかれた後ホールでオーケストラを聞かされたということを思い出した。結局その高校には入学したしコンサートでは二人とも寝たのが面白いし懐かしいな。そしてこんな感じのらせんの通路を持つ美術館を昔本で読んだ気がするがいつか行ってみたいな。

席に座って一息ついたら天井に無数の突起があるのが見えたがこれも全て音響を計算してつけているのだろうか。だとしたら凄い。kの雄姿を目に焼き付けたかったが如何せん眼鏡を忘れてきたので何も見えず、どれがkかもよくわからない。仕方なく指を丸めて作った小さな穴から舞台を覗き見ていた。演奏はとても良かった、やはりYouTubeで適当に流すのとは音の良さが桁違いである。音が断片になって神経を走り抜けていく感じがした。プログラムに曲の流れと解説をつけてくれていたのが個人的に非常に良かった。音楽がわからない人間でもその冊子を曲と照らし合わせれば決して退屈したり訳が分からなくなったりしないのである。そして人間の肌はベージュ色や茶色が基調だから舞台と楽器の木の色、服や道具の黒と良い感じに調和しているが、これが青とかだったら絶対にしっちゃかめっちゃかだっただろう、やはり人間の肌が青くなくてよかったと思った。これをOに話したら面白い人だねと言われたがOのほうがよっぽど面白いと思う。

コンサートが終わった後、Oは期限が迫っている課題に見切りをつけて私と散歩する方を選んだ。会場を出たらやけに人が群がっている所があったので出待ちの列ではないかと思い、kに会いたい私たちも列に加わったがほどなくして出待ちするなー帰れーと言われたのでおとなしく諦めた。これが逆にうまく働いて私たちはバスを待つkに道中で会うことができた。kと三人で夕食を食べに行くことになったがこの時間に空いてる店など安いチェーンと高い居酒屋しかない。ケンタッキーが空いていたもののオケのメンバーが目の前で最後のチキンを買ってしまい、チキンのないケンタッキーはOの中で価値を失って没になった。疲れたkはそこでリタイアし帰っていった。お疲れ様です。

結局学生がひしめくあたりまで帰ってきた私たちは安い居酒屋に入り、一滴のアルコールも飲まずに日付が変わるまでバイトのこと、部活のこと、様々なことを話した。同じヒグチユウコさんのスタンプを持っていたこと、彼女はヘビ、私はカメを買っていることで盛り上がった。爬虫類はみんな頭が悪いらしい。

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こんな時間までふらふらしていられるのは下宿の醍醐味である。そして楽器ができる人は本当にかっこいい。おしまい。

散💰財

「さ、寒すぎる」

手持ちのコートがスーツと一緒に買ったペラペラのトレンチのみの私は毎日凍死のリスクに晒されて生きている。今すぐにでも新しいのを買わなければいつ死んでもおかしくはない。去年は去年でリサイクルショップもどきの店でタダ同然で貰ってきた男物のコートを着ていた。これが重くてデカいくせしてそこまで暖かくないし、裏地がテラテラ光る真紅の布であり、風にコートをはためかせるその姿は完全にドラキュラ。というかドラキュラみたいな貧乏限界受験生JKって本当に一体何だったんだ。そろそろまともなコートが欲しい。というわけで久しぶりに一日暇だから買いに行こうと心に固く決意した。

そうはいっても今はペラペラトレンチしか持っていない。当然外に出る気力が湧くはずもなく、3時過ぎまで布団の中でデトロイトビカムヒューマンの実況を見て過ごした。

どうにかこうにか布団から這い出て家からも這い出て街に向かったが、初手のブックオフという罠にまんまとかかり、気づいた時には22冊の漫画を抱きしめて会計を済ませていた。この量の本を抱えて店内を闊歩したから、翌日は腕が筋肉痛になっていた。

全部百円コーナーで買ったあたりになけなしの理性を感じる。

ヴィンランド・サガは前からずっと読みたかったのでここにあるヴィンランド・サガ、全部くれと言わんばかりの勢いで本棚からごっそり抜き取ってやった。勢いに任せて特段欲しいわけでもなかったアド・アストラも買ってしまった。七夕の国はどういう話か知らなかったが岩明均が描いているなら当然神漫画だろう、なぜなら彼は天才だから。あとなんかネットで評価されてるの見かけたことある気がするし。という理論の下買った。実際おもしろかったので、やはり彼は天才である。構成や発想、表情がよく評価されているが、個人的には何とも言えない不気味さと決定的な瞬間の時の流れ方の表現において特に鬼才ぶりを発揮していると思う。とんがり帽子のアトリエは絵が上手すぎるので、主人公達がピンチの時でも「ヤバ、絵うまいですねニチャ…」とニヤつきながら読んでしまうし、この漫画のせいでロリコンになりそうである。(それぞれタイプの違うめちゃかわいい女の子が4人出てくる。)

数キロは重みを増したリュックを背中に抱えてすでに少し前かがみになりながら歩いているとなんかおしゃれなビルがあったのでヘラヘラと入っていった。眺望。

なんかお高い服が普通に売っていて怖かった。歩いていたら迷路のようなところに迷い込んでヌッと目の前にぶら下げられたモンクレール(金持ちが着る服とツイッターで学んだ。極まると犬も着ているらしい)が現れ、今ここですっ転んで引き裂いてしまったら一体私はどうなるのだろう、臓器とか売らないといけないのかな…という恐怖で目の前が真っ暗になった。でも無印良品もあったので良かったです。価格設定を見て安心しました。

とりあえずそこを離れて安い服が売っているという絶対的信頼のあるビルでちゃんと良い感じの値段でコートを買えた。これで凍死の心配はなくなった。やれやれ一安心である。近づきつつあるクリスマスに向けて気分をぶち上げるためリースを買った。(本当はツリーが欲しかったのだが、もたもたしているうちにいきなり売り切れた)

飾ってから気付いたのだが、外を覗こうとすると鼻の穴に葉が入ってくる位置にしてしまった。これから来客があるたび鼻血を流さなければならないのかと思うと憂鬱である。

漫画22冊とでっかいコートを抱えて歩くという地獄の家路を何とか乗り切り、本棚に新入りを加えて我が家の漫画コレクションをニヤニヤと眺めた。数えてみたら全部で87冊あった。

湯を沸かしただけなのに吹きこぼれさせたり、友達と電話したり、岩明均の漫画のうまさに心酔したり、とんがり帽子のアトリエの絵の良さに大騒ぎしたりして、気づいたら寝ていた。おしまい。

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