はいら日記

犬の顔にはめるバケツみたいな何かと数千万円するエルメスのバッグばっかり宣伝される

帰省

 国宝展に行くために全休を使って一瞬実家に帰った。果たして私はそこまで文化が好きなのだろうか、あまり知識もないしという疑問を脳裏によぎらせながらも東京国立博物館初の全所蔵国宝という文言に思わず興奮してチケット争奪戦に身を投じてしまった。同じサークルにいる美術と歴史に関して生き字引状態になっているH君のことを思うと自分は一泊してまで国宝展に行くのに値しないのではと思ってしまうのだが、そうはいっても貴重なものを見て楽しむ権利が無いわけなかろうと思って存分に楽しませてもらった。 

当初私は夜行バスで行って朝実家で少し休んでから展覧会を見てまた夜行バスに乗って帰ろうと思っていたのだが、夜行バスの事故が多くて心配なのと私が20歳になってから帰省するのが初めてなので一緒にお酒を飲みたいということで新幹線で帰るお許しを頂きありがたく新幹線で帰らせてもらった。 

晩酌

 実家は綺麗だしお洒落だし下宿生活では食べられないものを食べさせてくれるし湯船が大きくて好きだ。両親は晩酌だ晩酌だと言って私に霜降り肉クリームチーズとドライフルーツを合わせてクラッカーに乗せて食べるなんかお洒落な奴やなんかお洒落なサラダを食べさせてくれた。母はテンションが上がっていたらしくなんか素敵なお花を買ってきて花瓶に挿したらしい。ワインとビールを初めて飲んだがどちらも割と好きだった。しかし母によるとワインはある程度以上の値段がしないととても飲めたものではないので下手に安いワインは飲まない方がいいらしい。そういうわけで赤ワインとエビスビールを飲んだ。次来たときには白ワインとドイツだかどこかのビールを飲ませたいらしい。

QOL高すぎ

静物画か?

 最近は両親ともっぱら将来の話をしている。私がド阿呆すぎて留学の出願にたびたび失敗し、行っても4回生からになってしまうため就活のタイミングがよくわからなくなってしまったのである。今のところでは3回生で早くから内々定を出してくれるところを探しながら就活の準備をし、4回生の1年間で留学をしながら向こうでインターンなどして5回生で卒論を書きながら日本で就活しようかと思っている。私は海外で活躍できる人、いうなればグローバルリーダーになりたいと思っているので日本ではスキルが身に着く業種で数年働いたのちに海外に行こうかと考えたのだが、父からは直接海外で働き始められるならばそれに越したことはないため留学中もインターンなどすると良いという言葉を頂いた。こういう時海外で沢山働いた父の話を聞けるのは心強い。一時はMBAを取って海外で働こうかなとも思ったのだが、これにはかなり、いや相当お金がかかってしまうので軽々しい気持では決められないし働いた経験があったほうが有利でもある上、両親的には私がMBAに向いているかについては疑問の余地がある様子なので保留である。働いてお金を貯め、キャリアアップのために必要だと思ったら検討しようと思う。 

あと、人脈を作ってチャンスを逃さないためにコミュ障を治せと言われた。私は相手が同じクラスやサークルなど仲良くなる必要を感じる人の場合フレンドリーにできるのだが、この先どうなるかよくわからない人に対してはかなり塩対応してしまうのでこれは自分でも治したいと常日頃思っている。この分析を母に話したら、「人と会話するのにもいちいち必要性を計算しているのが怖い」と言われたが、本当にこういうところは自分でも気持ち悪いと感じる。 

 よく考えたら子供も産みたくないし結婚願望も薄いし日本国内で言えばそれなりの学歴は手に入る予定だし、一人で生きていくならそんなにキャリアキャリア焦らなくても何とかなるとは思うのだが、なぜこうも焦りを感じているのだろうか。きっともし子供が産まれたとして(産みたくないが)私が両親に与えてもらったものくらいは与えられるようになりたいという思いがあり、世間のことがだんだんわかっていく中でそのためにはどうやらかなり頑張らないといけないようだということに気付いてしまったからだろう。あと両親に負けたくないというのもある。まあ、そういうわけでせいぜい頑張りまーーーす。 

 酒を飲んでいたら父は仕事論を語り始め、母は彼氏を作れと私に迫りだし、私は私でピスタチオナッツが大量に消えたことで飲むと太る理論を肌で理解し、どうしようもなくなったので父は寝た。その後私は2時まで母に大学で出会った面白い人達のことだのチェンソーマンのあらすじだのなんだのと雨あられとマシンガントークを浴びせた後、寝た。 

 上野お出かけ

 国宝展のために上野に行ったはいいものの、入場時間までまだ時間があったので高校同期のIとランチを食べた。

まだIが足りなさそうだったので喫茶店でさらにおやつを食べた。家を出る前に母に撮られた花瓶の花を抱えた私の写真を見せたところ慶應(か上智)にいそうとのお言葉をいただき、調子に乗ってインスタのサブ垢に載せたら即座に実際に慶應に通っている友達から本物の慶應生の写真を送りつけられ怖すぎて泣いてしまった。Iと高校時代の同級生達の話に花を咲かせていたのだが、高校同期について仲間内で話すのはなぜこんなに面白いのだろう。一生続けられるしインターネットより奥深いかもしれない。お互いのクラスの卒業式の集合写真を見ていたら私のクラスの写真で担任がなぜか一番端におり、その上周りを老け顔の生徒で固められて完全に教師のオーラを失い一切の存在感を放っていなかったので笑ってしまった。あと、一年生時のクラスラインにあったオリジナルスタンプ(生徒の写真に文字を入れたもの)のアルバムを発掘し眺めていたらFという友達がパノラマ撮影に失敗されて細く圧縮された写真を発見し二人して腹がよじれるまで笑った。同窓会で皆に会えるのが楽しみでならない。 

展覧会自体については分けて書きます。

押上編

博物館が閉まるのが5時だったのだが、なんだか新幹線に乗るにはまだ早かったので高校同期Mに会いに行った。彼女の誕生日プレゼントをまだ買っていなかったので押上に着くなりどんぐり共和国に連行された。(どんぐり王国だと思っていたが、政治体制が違ったようである。)そして以前約束した通り漫画版風の谷のナウシカ全巻セットを買わされた。漫画版宣教師たる私としてはもちろん何セットでも買うし、手に入れたからには参考書かというほど何周も何周も読んでほしいと思っている。(私は何周もしたおかげでしばらく読んでいなくてもほぼすべて覚えているし解像度がかなり高い自信もある。このことを考えるとよく言われる教科書を何周もしなさいというのは本当に効果があるのだとわかる。)読んだことない人には積極的に私の物を貸していく所存なのだが、何年かおきに読むとそのたび捉え方が変わっていて自分の変化に気づかされる漫画なのでできれば1度読んで終わりでなく手元に置くべきである。

 重度のジブリオタクのMは自分の買い物もすると言ってずっと店の中をうろうろしており、ナウシカ原作信奉者なだけでジブリは好きでも嫌いでもない私はすぐ飽きて店を出、寒空の下英検の単語帳に顔を突っ込んでいた。

 その後フードコートでうどんと天ぷらを食べて帰った。私とMは共通テスト国語満点コンビ(自慢)なのだが、彼女は都路里のことを「とろり」と読んでいたらしい。本当に満点取った人間なのか!!??彼女の大学の人も皆同じ間違いをしていたらしい。偏差値って嘘なんだな。

 世界史の話をしていたらMが突然後金の建国者ヌルハチの名前を「ドジョウのオスって感じがする」と形容したが、およそ私の人生の中で最も共感できない話であった。共感以前に何を言っているのか一切わからなかった。日本史選択の彼女がヌルハチを知っているのは普通に凄いと思う。

帰宅と意気込み

 部長になったのに部活を休みがちなお詫びのお土産を買い、新幹線に乗り下宿に帰るとゴミ捨て場の方がまだましと言わんばかりの惨状が私を待っていた。ここは底冷えするし部屋は汚いし交通は滅茶苦茶だし市は財政破綻寸前だし湯船は小さくて入りたくないし授業は面倒くさいしなぜか最近バイトが異常に多いしで修羅の国である。でも生活が荒れていた所で実家に帰り回復したのでサークル、バイト、授業、英検の勉強、趣味、生活、インターン(これから探す)のジャグリングを頑張ろうと思う。最低7つのボールを回さないといけないなんてとんだジャグラーである。あと、もうすぐ同窓会なのに忘年会ラッシュでかなり危機的なので何も無い日は永遠にダイエットしていようと思う。

おしまい。