はいら日記

犬の顔にはめるバケツみたいな何かと数千万円するエルメスのバッグばっかり宣伝される

七夕クリスマスパーティー

事の発端は4月に私がニトリでクリスマスツリー(シーズンオフだと120㎝800円という驚異の安さなのである)を買ったとき、サークルの友達のAが「七夕になったらこれに短冊をぶら下げたい」と発言したことである。私はこれを聞いて天才かと痛く感激し、約3か月間にわたって開催を熱烈に希望し続けたことでめでたく実現した。

今日私の家に来たのはオタ活の行動力が凄まじいA、ミュージカルオタクのM、何言っても満点の爆笑をしてくれるオタクのN、つまり全員オタクである。しかし基本的にこの大学はオタクが8割なので別に特別なことではない。

私は七夕らしいイベントなんてここ数年塾に笹が飾られていることしかなかったのでワクワクしながらアネクメーネ状態の部屋を片付けていたが、結局間に合わず畳めていない洗濯物を全てクローゼットに監禁した。

友達が買ってきたケーキを冷蔵庫に入れようとしたら中に入れている目覚まし時計とぬいぐるみを見られてドン引きされた。しかし、自炊しない人としては活用しきれていない冷蔵庫のデッドスペースがあまりに大きく、ただの冷えた棚と見なしていらないものを入れようという発想に行きつくのは当然の帰結ではないかと思う。あと、目覚まし時計を入れているのは寝起きに冷気を浴びれたら目も覚めるのではないかと思ったからだ。

この間中学生の時クラスメイトがなぜか突然くれたマグカップを割ってしまい、捨てるのが面倒でにその辺に置いている。これも見られてattentionという文字と不注意で割ったという事実の矛盾を褒められた。

そして同じ授業を取っているNから私がめんどくさくなって休んだ回でリスの解剖をしたことを教えられ、あまりに悲しかったので床に寝転がって両手両足を振り回し悔しさを表現した。

皆集まるなり意気揚々と短冊に願い事を書いてはぶら下げ書いてはぶら下げを繰り返したが、クリスマスツリーに七夕飾りをつけているという状況のシュールさにゲラゲラ笑っておりAに至っては倒れて動かなくなってしまった。夏の暑さが過ぎるように願う短冊にはみんなの彼岸なので傘連判状形式の署名をした。

Aが織姫の飾りを作ろうとしたら間違えて頭を割ってしまったので、

脳を付けてあげた。

完成!

お腹が空いてきたのでご飯にした。今日のメニューはクリスマスをイメージしてケンタッキーとケーキである。

私はケンタッキーを食べるのが初めてだったのでそれはもう楽しみにしていたのだが、思ったほどでもなかった。ケンタッキーは肉々すぎるので同じような食べ物でも唐揚げの方がよっぽど好きである。骨と肉を離して綺麗に食べるのがかなり骨の折れる作業なので(骨だけに)、途中で食べるための労力が食べる楽しみを上回ってしまいチキンを掲げてしばらく放心状態になっていた。

ケーキはそれはもう天にも昇る美味しさだった。

私が祖父母宅から強奪してきたかわいい皿が活躍する時期になって嬉しい。

食べ終わって雑談をした。私が結婚式でご祝儀を3万も貰うならチケット代3万のライブとして式を提供したいと話したらなぜか死ぬほどウケた。一生独身の覚悟はとうに固まっているが、もし万が一結婚できるとしたら歌、踊り、演技にトーク、全てを練習してエンターテイメントな1日にしたい。皆絶対行くと言ってくれて嬉しかった。

Nはジャニーズになりたいらしく、どうやったら選考を通過できるのか必死で調べていた。私も恋愛リアリティーショーか慶應のミスコンに出たい。

今日は七夕でもないし、クリスマスツリーは笹ではないし、全てが季節外れだったがまず私自身が秋生まれなのに南国情緒溢れる名前を持つという季節外れな存在なので大した問題ではないと思う。

おしまい。