はいら日記

犬の顔にはめるバケツみたいな何かと数千万円するエルメスのバッグばっかり宣伝される

わかんなぁい…

お友達の来訪

東京から高校同期のAとTが遊びに来た。二人は滅多に会えないので私は部活をさぼって一緒に遊ぶことにした。私としては朝っぱらから遊びまわっていたかったのだが、夜行バスに精神と体力を削られた二人は私の家に着くなり早朝なのにカップラーメンをがっつり食べ、寝始めた。夜行バスで来た人たちは皆一旦私の家で仮眠をとるのでちょっと面白い。

二人が起きてきたので大学を見せに行った。毎日見ているのでもうどうとも思わないが、他大学の人から見たら奇異に映るらしい。いつもサークルで使っている、学生運動時代の空気未だ漂う部屋を覗かせたら恐れ慄いていた。

銀閣寺を見に行った。道中色んな話をしたが内容はほとんど忘れた。恋愛の話を聞いてなぜ自分はこうもモテないのかと途方に暮れたことは覚えている。人生唯一の恋愛経験が幼稚園時代に五歳のグアテマラ人に告白されたことであり、その話で未だ笑いをとり続けている私からしたら「好きでもない人から好かれても困るだけだよ」という言葉など大金持ちが貧乏人に「お金があっても幸せは買えない」と説くのと同じくらい残酷である。

銀閣寺に着いたが私は先日も行ったばかりである。貧乏人としては拝観料のかかる場所にはワンシーズンに一度しか入りたくない。二人を入らせて私は一人門の前で読書していた。

ハンバーグ

三人でハンバーグを食べた。大学生グルメはやはり安くて多くて美味しくて最高である。

Tがまるで地元民であるかのようにお爺さんに食券機の使い方を教えていた。一度来たことがあるはずなのにもたもたしていて勝手に注文を取り消された私よりもよっぽど彼女の方が注文が上手である。

私以外の二人は量を見誤り残す羽目になっていた。

そういえばハンバーグはもとはといえば肉を細かく砕いて調味したタルタルステーキであり、それを食べやすく加熱して今の形になった、つまり遊牧民の料理であったことを思い出した。

神社と天気

二人に神社を見せようと思って歩き出したのはよかったが、なんとここで目まぐるしく晴れと雨が切り替わり始め、なんと太陽の光とともに雨粒が降り注ぐようになり、ついには横殴りに雪が降り始めた。この地の天気がそんじょそこらの女が束になった程度では勝てないくらいにメンヘラなのは常だが、今日はいつにもましてひどい。二人にとっての洗礼にもほどがある。

やっと晴れ間が現れたのでその隙に神社に入った。全く知らなかったのだがこの日手作り市をやっていたらしく、テントがずらりと軒を並べていた。三人で手作り市のような場所にいる人はなぜ異常に高い確率でベレー帽とニット帽を被っているのだろうという話になった。ちょうど私もベレーを被っていたのでこれで頭全体を包むように被り直すことで周りに溶け込むことに成功した。(こんな風にベレー帽は一歩間違えればすぐに素朴系コーデを完成させてしまうので私はこれに悩まされている。)

神社内にある尾形光琳の絵のモデルになったとされる梅が満開を迎えていた。刺すような冷たい風が吹き付けたと思ったらさんさんと陽が降り注ぐ天気のメンヘラ具合に耐えられなくなった薄着のAは服を買うことにした。私もちょうど部活で靴を汚してしまって新しいものが欲しかったところなのでこれ幸いと川沿いに歩き出した。しかしまたもや天気が荒ぶりはじめ、私達は橋の下にしばらく閉じ込められた。Aに至っては初めての京都なのにこんな目に遭うのはあまりにも可哀想である。私は「雨、晴れ、曇り、雪、全ての天気が見れてよかったね」というフォローを入れることしかできなかった。

雨がやんでやっと橋の下から脱出できたと思ったら、雨に濡れて草木がキラキラと輝き水も澄んで異常にきれいな光景が広がっていた。本来ならば感激しても良いのだが、さっきから山も顔負けな天候の変わり具合を見せられ五分ごとに天国と地獄を行ったり来たりしていたのでもう笑うことしかできなかった。

パフェ

f:id:hyla26572256:20220307013018j:plain

パフェを食べた。ここでTはお冷をひっくり返したのだが、実は彼女はハンバーグ屋でもお冷をひっくり返している。今日は物忌みでもしていた方が良いかもしれない。二人が私の知らない海外のアイドルや俳優の話を始めたので私は一人信じられないスピードで流れていく雲を眺めていた。

お買い物

古着屋に行って私は中古のスニーカーを買った。汚れてはいたが似たようなものを新品で買うと確実に五倍はするのでそれを加味すれば安いものだろう。あとイヤリングを買った。

Aは古着屋には気に入るものが無かったらしく、結局GUでスカートを買っていた。

その後祇園を見て清水に連れて行った。ここは現在毎年恒例のライトアップをしているが、それも今年で最後らしく私もかねてより見に行きたいと思っていた。

ここの街並みは本当に観光のためだけに存在しているという雰囲気でとても綺麗だ。Aがこのあたりを「どこかの観光地で見たことある光景の完全上位互換、本物バージョン」と形容していた。二人から「夜に来て良かったね」との言葉を頂いたので行程を計画した私としては光栄である。確かに映えるのだが、なぜビームを出しているのかは理解しかねる。寺に出せるなら私もできるはずなので練習したいと思う。

清水寺もまた最近入ったので私は外で待機していた。今読んでいる破戒もいよいよ佳境に差し掛かったというところで二人が戻ってきた。他の神社も案内するつもりだったが、二人がもう足が棒のようだと主張したのでバスに乗って帰ることになった。ここでも私は持ち前の貧乏人根性を発揮し、一人だけ徒歩で帰った。

二人をかなり疲れさせてしまったが、沢山のものを見せられて良かった。

ちなみに今日のタイトルはAに何にすればよいか聞いた時に帰ってきた言葉をそのまま使っている。

おしまい。

初大阪!

関西の大学に通っているのに初めて大阪に行った。引きこもりを極めると華の大学生の、さらに華の長期休暇なのにも関わらずこうなってしまう。

大阪に行くのが本当に人生で初めてというわけではないのだが、小学生時代に何度か海遊館に行ったこと以外一切何もしたことがない。

大阪に住んでいる同期のHが案内してくれた。Hは目が大きくて可愛いく、リアクションが豊かでさらに聞き上手という三拍子揃った素晴らしい人間だ。

私が六歳の頃からテレビなしで過ごしているせいで芸能人がほとんどわからないことに彼女は丸い目をさらに丸くさせて驚いていた。ダウンタウンの顔がわからない人は初めて会ったと言っていたが、本当にわからないので仕方ない。お笑いの街だけにあちこちに芸人の名前や似顔絵が飾られていたが、私には誰が誰だかさっぱりわからなかった。彼女によると、東京といういつ芸能人とすれ違ってもおかしくない場所に住んでいたのに芸能人が全く分からないせいでたとえ遭遇していたとしても気づいていなかった私は確実に損しているらしい。

ドンキの観覧車。楕円形の観覧車は初めて見た。

f:id:hyla26572256:20220305213041j:plain

ほう、ここが音に聞くグリコの所かと感心した。観光客らしくグリコの彼と同じポーズで写真を撮ってもらったのだが、わざわざ振り返って足の向きを確認した癖に左右を間違えていたことに後で気づき、自らの頭の弱さに絶望した。

ここの風景を見たら東工大の校章が大阪で破壊の限りを尽くす動画を思い出した。

www.youtube.com

バーバパパは昔から好きでハトEDMの頃から見ているが、最近ウ”ィ”エ”がバズりにバズってしまい、なんだか嬉しいような悲しいような気分である。全ての動画を見ているはずなのにもかかわらずチャンネルを訪れる度記憶にない動画があるということが私の中で話題である。ちなみに私が好きなのはミーミチンというモヒカンの神が地球を左右に傾けて「思想を傾けて遊んでいる」と言い放ち、ソ連国歌とアメリカ国歌のリミックスが流れる動画である。

www.youtube.com

Hは部活の練習が終わった後であり、私は朝から水しか飲んでいないこともあって二人とも空腹は極限まで極まりどこかで昼食をとろうということになった。しかしここは食い倒れの街大阪、食べ物屋がありすぎてどこに入ったら何がどうなるか皆目見当がつかない。せっかく見つけた店は怪しい雑居ビルの中にあり、入口すらもわからないという有様で二人とも困り果ててしまった。結局よくわからなくなって適当な焼き肉屋で食べた。牛、鶏、米、野菜、水、卵

牛タンという概念を初めて知ったとき「舌を食べるとは何という野蛮な発想だろう、そんな部位はさぞかしねっとりとした生々しく酷い味がするに違いないし、牛の舌なぞ食べる人も全員味覚神経がショートしているに違いない」と思ったが、以外にも実際美味しいことが最近分かった。

私のツイッターが面白かったと言われてなんだか面映ゆい気持ちになった。そんな言葉を頂いたアカウントも、絡む人が一人もいないのに知らん大学生の内輪ノリを永遠に見せ続けられという興冷めすぎる状況になって本格的に飽きてしまい、最近ログアウトしてしまった。

店を出て散歩していたら気が狂ったおじさんが「BTSみたいな髪型しやがって」と何かに激怒しながら自転車で商店街を走り抜けていった。そして本当にプリンになった髪に上下スエットの明らかヤンキーコーデの人がたくさんいたことには驚かされた。

大阪人は人類が受け取れる視覚情報に限界というものがあることを知らないのかもしれない。あまりの情報量に帰途についてからというものずっと頭が痛い。

彼が食い倒れ太郎ということで間違いないだろうか。

Hは犬を飼っているらしい。私も犬のような少なくとも個人が判別できる程度には賢くて、ふわふわしており温かい動物が飼いたい。カメもかわいいのだが、抱っこがわからないため持ち上げる度暴れまわるので、おとなしく抱き上げられている動物を見ると羨ましく思ってしまう。しかしHは私のカメの話を聞いて本気で可愛いと言ってくれた。話をして写真を見せただけでこんなに反応されるのは私も初めてである。やはりHは聞き上手だと思う。

二人してお腹も膨れたので通天閣まで歩いていくことにした。さっきまでいた所でも十分怪しげな雰囲気は漂っていたのに通天閣のあたりはさらに恐ろしく、冬になるとおじさんが凍死していることまであると言われた。それを言われると手前の新世界商店街の温かい街というキャッチコピーが何かの皮肉に思えてくる。本当に意味が分からなかったのは「新世界の隣にはサバンナがある」と書かれた旗である。サバンナなのはこれを考えた人の頭ではないだろうか。

つい昨日ツイッターでバズっていたまさにその光景を見た。「外道犬殺し爆誕」という言葉を考えられる人の頭の中は一体どうなっているのだろうか。この下にはさらに「我が子を立派な外道に‼毒親へ、最低クソ野郎激闘集‼」と書いてあった。この明らかに正気ではない言語センスとデザインセンス、ぜひとも見習いたい。

その後は散歩して帰った。あべのハルカスのあたりを探検したりなかったのでまた来ようと約束した。

おしまい。

とんかつ定食とお菓子作り

入試

つい最近まで私の通う大学も入試をやっていた。この騒ぎに乗じて現れる奇を衒った置物の数々、それをなんとか撤去しようとする大学職員、稀代のバズりコンテンツでなんとしてでもインターネットの注目を搔っ攫おうとする学生、契約を取り付けようとする不動産屋、絶望と希望にまみれる受験生、そして野次馬で大学前はてんやわんやであったはずだが、私は部屋で楽しく寝ていたのでそんなことは知らぬ存ぜぬである。

しかし母から1年前の私の写真が送られてきて当時のことを懐かしく思い出した。思えば新幹線にいざ乗らんとするとき白目をむいて写真に写ったり、1年間満員電車の人ごみに揉ませて作り上げたぼろぼろの教科書をいかにも猛勉強の末そうなったかのような顔で取り出して周りを威圧したり、なかなかにちょけていた。受験に対してはかなり本気だった気がするのだが、やはり受験は精神を狂わせるのでこうなってしまった。

初日の数学で撃沈して口もきけないほど凹む予定だったのが、歴史的な易化により全問解けた。母が私の試験中に散歩していて見つけた雰囲気の良い店で夕食をとろうとしたら料理が出てくるまでかなりかかってしまったが、予想外の展開に上機嫌になっていた私は母の「ごめんね、明日も試験なのにこんなに時間のかかる所に連れてきちゃって」という言葉に「大丈夫大丈夫、全然平気~!」と能天気に答えていた。しかし店主への「この子が受かったら家族でまた来ますんで」という言葉はネガティブ思考の私にとっては癪に障るものであった。

受験は人生の大半を捧げたイベントであるだけにやはり語れる思い出は多いなあと思う次第である。

部活

今日は部活の用事で珍しく朝早く起きた。おかげで奇跡的に朝のうちに洗濯を済ませることができ最高ウキウキの状態で向かったが、部室棟で見事迷子になり、部活の人に運良く遭遇できるまで棟内を徘徊する羽目になった。もう一つ入っている部活では誰一人として部室の位置を把握しておらず、部長含め皆で毎回まぐれで部屋を見つけるまで彷徨っているのだが、こちらではその常識は通用しないようだ。さらに服が汚れる活動をするのに普通の服で来てしまい、絶望のさなか。私以外の部員は前回のプロジェクトに参加しているので全員ジャージである。困っていたら親切にも同学年の男子に重ね着していたジャージを貸していただけた。長期間やめていただけにまだうまくできない。これからはちゃんと普段の練習会にも行こうと思った。

今やっている新歓のプロジェクトは音楽に合わせてする出し物なのだが、流行りのjpopに疎いので今回初めて知った曲ばかりであった。jpopで聴くのは米津玄師とヨルシカだけだし、マリーゴールドには友達が歌っているのを聞いたという間接的な形でしか触れたことがないし、ドライフラワーの優里は1年前まで男と知らず勝手に同じ名前のクラスメイトの女の子をなんとなく想像していた。あらかじめ聴いておこうと思ってYouTubeを開いたら候補曲の再生数がどれもこれも多いことに度肝を抜かれた。

とんかつ定食

部活の皆とご飯に行った。この店は今まで行ったことがなかったし、学生に人気だということも知らなかったので嬉しかった。素朴な雰囲気の店で、後でサイトを見たら阿部寛のホームページかと思うほど簡素であった。店内のそこかしこに私の大学の体育会のポスターが貼られているのを見て体育会所属の学生に会食制限がかけられている今結構な打撃を受けているのではないかと思った。

大食いの先輩の料理が運ばれて来たのでそっちを見たら、あまりに大きなおかずが数多くこれまた大きな皿に山と積まれていて、その様子は宝船を思い起こさせた。彼の食べていた米も漫画でしか見たことないような盛られ方をしていた。私の食べていた量でも結構満腹になったのに、由々しきことである。それにしても多いご飯を食べると毎回必ずあと一口のところで急に限界が来るのはなぜだろう。

皆でタコピーの原罪の話をした。私はあの歪みがあるのに綺麗な絵柄も結構好きだなと思う。

なぜかとんかつの大きめの一切れを嚙み切らずに縦向きに口に突っ込んでしまい、喉の奥の防御力が低い部分に衣が突き刺さって、それでいて肉の大きさゆえに口の中で動かすこともできず一人悶絶する羽目になった。表情には出なかったらしく、私が肉を吐き出して社会的に死ぬかとんかつを喉に刺して物理的に死ぬかの二者択一を迫られていた時も皆は和気あいあいと話していた。死因がとんかつなんて死んでもごめんである。幸い吐き出さずになんとかでき、人間はリクガメのように長いものを丸呑みしてはいけないという貴重な教訓を得た。(私の実家にいるリクガメは細く切ったパプリカを嚙み切らずにずいずいと喉の奥に押し込んでいって丸呑みすることができる)

友達と春になったら悪名高いテニサーの新歓に新入生のふりをして潜入しようねと約束して別れた。

お菓子作り

ここで私は別のサークルに向かう。バレンタインにかこつけて今頃お菓子作りをやっているらしい。

待ち時間が少しあったので水道修理業者のマグネットの話になった。かつて私がその一文字一文字を切り抜いて組み合わせ脅迫文のようなものを作ろうとしたことを話したら、推しの先輩に大絶賛されたので嬉しくなった。ちなみに彼は家に届くマグネットを全て捨てずにレンジフードの、それもなぜか内側に貼っているらしい。引っ越し前に持っていた分も新居に持ってきているのでもうレンジフードの内側は一杯らしい。

今日は学生が運営しているコワーキングスペースでやっていた。ここを私が知ったのは意識高い系の同級生が教えてくれたからである。彼女はなんだか価値観が私と合わないなと感じることが多い上(あまり文化に投資する気が無さそうだった時一番それを感じた)、女性や〇〇大生という型に当てはめて私を見ており、あまり馬が合わないタイプなのだろうか...と思っている。あとナンパ自慢まがいのことをされた時は正直ガン冷めしました。こんなところで愚痴っても私の品位が落ちるだけではあるが、そう思ってしまう。こういう状況に加え、ここの運営をしている知り合い達が盛んにここを広めようとして私が関係ない場所で入ったコミュニティにも食い込んでくるのがなんだかおもしろくなかったのだが、他のメンバー達は普通に良い感じがしたし実際やっていることを聞くとなかなか面白いので最初のイメージでここを見続けるのはいかがなものかと自分でも思い始めたところである。

それはそうとお菓子作りの話に戻る。高校一年の時卵はタンパク質なんだから混ぜて焼けば固まるだろの精神のもと「何か」を焼き上げ、翌年は完璧な外見のステンドグラスクッキーを作るも使っていた飴がのど飴だったことで大顰蹙を買った私にとっては千載一遇、名誉挽回のチャンスである。なんとしてでもここで私はお菓子作りができないわけではないと示さなければならない。

イチゴのタルトをとある女の人とペアで作ることになった。この人は他大生らしいのだが、そんなことは聞く前にもうわかる。私の大学の女子が普通に可愛いのは事実だが、やはりおしゃれの次元が違う。一生かけてもそのレベルには辿り着かないだろうと本能的に察知するくらいには次元が違う。こんな人大学ではついぞ見たことがないぞ。この人はお洒落な上にノリが良く、コミュ力が高いので見習うべき点は多い。そしてパチンコ屋でバイトしているらしいのだが、立っているだけで時給1,200、機械の不調はなんか叩けば直ると言っていて羨ましかった。

彼女とビスケットをジップロックに入れて木端微塵にし、さあバターを入れようとしたところ、なんとどこにもバターがない。聞き取り調査の結果、ガトーショコラを作るチームが間違えて50g増しでバターを入れてしまったことが分かった。これはこれはこってりしたガトーショコラができるぞ。いやそれどころではない、私達のバターはどうするのだ。とりあえず私が家に帰って何か月も使い道が見つからず冷蔵庫の奥に眠っていたマーガリンを引っ張り出してきたが、なんと賞味期限を5か月も過ぎている。しかしこれを使うしか道は無い、皆さん体調を崩したらどうぞ私のせいにしてくださいという思いでマーガリンを温めたところ、なんと爆発した。私はなんて料理の才能がないのだろう。もう終わりだ。犬が料理したほうがどれほどマシか知れない。大体なぜ目玉焼きにしろマーガリンにしろ爆発という今時二次元キャラでもしないような失敗をしてしまうのか。電子レンジが溶けたマーガリンの香りでいっぱいの香りレンジになってしまった。

どうにかこうにかタルトを完成させたところ、ガトーショコラもパウンドケーキもまだまだのようだったので、余ったいちごジャムを使って寒天を作ったり、ビスケットにマシュマロを挟んで焼いたりした。イチゴ寒天をタルトの上に流し込んだら好評だったのでひとまず良しとしよう。名誉挽回(?)である。

一方ガトーショコラ組はバター過剰なものの順調に作業を進めいざ焼こうとしたところ、未開封の生クリームを発見した。そう、生クリームを入れ忘れていたのである。どうりでやけにネチョネチョなわけだ。どこまでやらかすんだガトーショコラ組。急遽型に一度入れた生地を取り出して生クリームを混ぜ直そうとしたが、ネチョネチョすぎるせいで一向に上手くいかない。私達も手伝って何とかした。

 

こうして見るとさしたるトラブルもなく焼き上げたパウンドケーキ組はやはり本当に素晴らしい。

波乱万丈であったが、なんとか皆でテーブルに着いて食べ始めることができた。ところが、私はとんかつ定食を食べてきている。これに大量のお菓子を食べ、さらに暖房器具の熱が直にあたる所に座らされ、相当に朦朧とした。最後の方はもう誰の話も聞いていなかった。百均の小さな使えないハンドミキサーでずっと遊んでいた気がする。

こうして食べすぎの私の一日が終わった。明日は食べる量を減らさなければ体はいよいよ完全な球体に近づくだろう。

ところで色々な高校同期にブログを始めてほしいです。

おしまい。

わらび餅

サークルの人達とスイーツを食べに行った。歩いて行ったら運が無かったのであたる信号がことごとく赤信号であり、遅刻した。私が推している不思議ちゃんでド天然の先輩がいるのだが、その人にいつも歩いた距離の話しかしていないので多分異常に歩く後輩だと思われている。

女将さんが陽気な人でウサギの形のわらび餅をベラベラと推してきたのでそれを食べた。食べている途中であまりに観光客向けだったので面白くなってきた。あと何のお茶かわからないが不思議な香りがするお茶を飲んだ。わらび餅は普通に美味しかったが、私の大誤算で口内炎があるのに柚子味の蜜にしてしまったので悶絶する羽目になった。高校入って最初の自己紹介でいきなり口内炎の話を始めた同級生のことを思い出した。絵のところが和三盆でできていてそれをつけながら食べるのだが、先輩がペース配分をミスって全部食べ終わったのにまだ絵の四分の一くらいが残っており、いつまでも箸に付けて舐めていた。推しの先輩と工学部の先輩と一緒にインターンと留学と卒論と就活の話をずっとして皆で憂鬱になっていた。工学部は女子が少ないが、その数少ない女子にはお嬢様っぽい雰囲気のある人が多いイメージがあるがなぜだろう。

その後寺に行った。私が拝観料を払わないと入れない部分を課金コンテンツと呼んだら二人にウケてそれ以来課金コンテンツの呼び名が定着した。今日は雨が降っていて寒く、なんだかやる気が出なかったので三人でずっと濡れない場所で話していた。推しの先輩は医療系の人なのだが、尿検査で本当にリンゴジュースや犬の尿を入れてくる人がたくさんいるという話を聞かせてくれた。雨で寒いのに着物で観光する人がたくさんいて気合が凄いと感激した。

高校時代に観音に祈っていたら清水の舞台から飛び降りるときに持っていた襖がグライダーのようになって無傷でいられたという説話古典を読んだ記憶があるのだが、私以外誰もそんな話を知らないので怖い。私が古典を読むのが下手すぎてとんでもない読み違いをしたという可能性も否めないが、説話集を読むのは得意だったうえに不正解を食らいまくった記憶も特に無いので色々とおかしい。

年末にここで今年の漢字の候補を募集しているらしいので自分の名前の文字を全て投票してワンチャン狙えばよいのではないかという話をした。

帰りは工学部の先輩と別れて推しの先輩と歩いて帰っていたら、凄まじく歩くのが速いおじさんが現れて私達を追い抜いて行ったのに信号のたびにスマホに気をとられるので青信号に気づけず私達に追い抜かれ、しかしながら歩くのが速いので私たちを再び追い抜き、信号でまた止まって私達に追い抜かれ...を繰り返していた。その上この悪天候なのに傘を差していない。このおじさんの話で先輩と盛り上がった。

家に帰ったらまたちょっとスマホを見た後倒れるようにして寝てしまった。出先から帰った後即座に寝る習慣は何とかして直したい。このせいで毎日睡眠が17~22時、3~10時みたいなことになっていて無駄なことこの上ない。あと主な食事時間が深夜なのも何とかしなければいけない。

おしまい。

 

 

 

散歩と水族館

成績開示

今日はIが東京に帰る日だ。昨日遅くまで起きていたので眠い目をこすりながら布団からはいずり出て携帯を見るとなんと成績開示が始まっているではないか。嫌々見たが結論から言うとまあ良く...はない。1個落とした。これは冬の寒さに負けて1限に出られなかったことが明らかな原因だ。他も対して高くはない。これで果たして留学に行けるのだろうか、院に行く場合大丈夫なのだろうか。そもそも院進するか学部卒で就職するか、海外に行くならいつ行くか、何か資格を取るなら取るのか、何一つとして決められていない。不安が山より高く積もった私にIは「大丈夫だよー」と言ってくるが、彼女は特殊な事情により1,2年生のGPAを気にする必要がないのだから気楽なものである。しかし私はGPA1.9でスイスに留学した同じ大学の人の情報を発見したので絶望するのはまだ早い。カヲル君だって「希望は残っているよ、どんな時にもね」と述べている。

昨日のバイトで貰ってきたふぐ雑炊の余りを食べたら美味しかった。

見送り

駅までIを見送りに行ってついでにご飯を食べようかと思ったが、駅までバスで行くと往復で460円かかる。何ならバスよりも速く進めるしここは自転車一択だ。しかし私が駅に自転車で行こうとすると必ず向かい風が吹いており、今日はなぜか涙がずっと止まらない。ここで初めて自分は花粉症なのかもしれないと気づいて割とショックを受けた。メイクが全部落ちた気がしてIに聞いたら大丈夫と言われたが、トイレでよく見たら下瞼に取れたマスカラがこびりついていた。

カレーを食べる予定だったがIの希望によりお茶屋でスイーツを食べた。

Iはお茶漬けを食べていた。Iに私の周りの人々は中世ドイツの暗い小説に出てくる登場人物みたいと言われたが中々に独特な表現である。そもそも彼女は中世ドイツの暗い小説を読んだことがあるのだろうか。ツイッターで〇〇が××みたいでしたという文言とともにやたらキラキラした縦長の写真をあげて、大して××みたいでもないのにバズっている現象が私は嫌いなのでそこらへんは厳しくいこうと思う。

Iがバスに乗って帰ったがせっかく駅まで来たので散歩することにした。ドンキで地雷系が好きそうな服とか自転車とか600円の謎の香水とかを眺めた。

水族館

私は年パス持ちだからいつでもふらっと水族館に行ける。駅まで来ることがあったらついでに寄るのが習慣だ。水族館は好きだが、水族館に来ると自分含めそこにいるすべての人間に最高にイライラするので困る。今日も5歳以上の人間全てにイラつきながら魚を眺めた。

今日はオオサンショウウオ団子が2つに分裂していて一つ一つは小さかった。

f:id:hyla26572256:20220217222840j:plain

ベンチがオオサンショウウオの形をしていてかわいい。

f:id:hyla26572256:20220217223002j:plain

ペンギンは巣作りと産卵の時期らしい。滅茶苦茶鳴いていた。

この日、初めてチンアナゴの全身を見ることに成功した。

急いでカメラを向けたが間に合わなかった。

f:id:hyla26572256:20220217223639j:plain

推しのニシキテグリが元気そうで私も嬉しい。

最後の方の展示で人もあまりいない所でのんびりしていたら知らない子供が足に纏わりついてきた。少し離れたところから母らしき人が見ているのを確認してから、一緒に見てあげることにした。この子が心配になるほど人懐っこくて、見ず知らずの私と目を合わせながら「かめさんだー」「うごいた!」と言ってくる。高いところに水槽があったのでそれも見たいか聞いたら見たいと帰ってきたので抱っこして見せてあげたが、知らん人に抱っこされても余裕そうで恐ろしい子供である。

その後散歩して帰ったが寒い中自転車で散歩なんてするものではない。

帰って寝て起きたら10時だった。

おしまい。

 

St.Valentine's Day

部活

部活をした。私は絵を上げているから当然なのだが部の皆にツイッターを特定されている。皆面と向かって「〇〇って名前でツイッターやってるよね」と言ってくるので平気な顔をして「そうですよー」と答えているが、正直毎回回復不能なダメージを心に受けているのでやめてほしい。

健康器具の絵を描いた。よく考えたら今日はバレンタインだったのに健康器具の絵を描いているのは非リアを超えてもはや老人である。私の青春は始まる前に終わった。

Iが勝手に私の家のトイレットペーパーを交換していてその完全なる我が家の住人ぶりに感嘆した。

U-SHOCK

Iが宿泊のお礼にご飯を奢ってくれると言うので出かけた。一緒に洋食を食べた。

ここの洋食屋は大正時代からやっているらしい。ハイカラな店で立地が良く、コスパも良いのに絶妙に閑古鳥が鳴いていて面白かった。私は鴨と九条ねぎのハンバーグを食べた。これは美味しかったがとてつもなく崩れやすくフォークの上であっという間にそぼろになりデミグラスソースに溶けていくのを黙って見ていることしかできなかった。パンがおかわり自由とのことだったので調子に乗ってもう一皿頼みハンバーグの余ったソースに漬けて食べていたらお腹がいっぱいになってしまった。バターが余ったので貧乏性が祟って持って帰ってきてしまった。

デザートはアイスクリームがヨーグルト味で左右のソースの味がそれぞれ違うのが良かった。クリームが固めで古風な感じがした。私達が食べている間に他の客は全員帰り店員達も暇そうにしていたので、そのまま居座りIの高校時代の委員会の話をしたり本を読んだりしていた。

Iの入っていた委員会は今でも仲が良くて楽しそうだ。やはり一緒に大きなプロジェクトを動かすと仲良くなるのだろう。私のいた学級委員会(おそらく母校で最も暇な委員会であり、何もしていなかったせいでほとんどの人は私が3年間学級委員だったことを知らない)とは大違いだ。

やっと店を出たらもう人は来ないと踏んだのか、店員がおそらく終業時間でもないのに店頭の電気を消していて意味が分からなかった。

その後散歩がてら神社に行った、

神社の中を散歩しながら受験期の話をした。受験はもうしたくないがあれほどに目標がはっきりしていたのは楽と言えば楽だったし、もう一度だけで良いから夜まで自習室で勉強して皆でワイワイ帰るあの日々に戻りたい。あと当時のダサすぎる前髪を変えたい。

有名なチョコレート屋の前を通ると翼の絵がいかにもここで写真を撮ってくださいと言わんばかりに壁に描かれていた。「こんないかにも狙っているのは好きじゃない」と言ったらIも同意してくれた。

古着屋に寄って古いアクセサリーを見ていたら例によって青木マリコ現象が起こってしまった。私の場合本だけでなく雑貨でもこれが起こるから困りものだ。散々親に嘲笑われていた謎の現象の名前を教えてくれた母校のクイ研メンバーには本当に感謝している。耐えられなくなったので店を出ざるを得なくなったのが悔しかった。

家に帰って永遠に高校時代の話をしていた。闇が深かったこと、面白かった人のこと、入学して感動したこと、卒業式での先生の言い間違いのこと... Iは大学はもっと凄い場所だと思っていたが期待ほどではなかったと言っていた。確かに私もそうだ。高校入学の時の感動とは比べ物にならないほど薄いが、それは中学と高校の質の差が高校と大学の質の差よりはるかに大きいからではないだろうかと思う。

今Iは私の布団の中で私のおすすめ漫画のシュトヘルを読んでいる。去年の夏に来た時からはまっており、主人公のユルールが格好良いらしい。でも私は永井圭(亜人の主人公)の方が好き。ユルールも好きだけど。

ちなみに誰にもチョコをあげなかった。なぜなら私は博愛主義者だから。

おしまい。

 

サイゼデートは有りや無しや

工場用地には法律上住所が存在しない世界の夢を見た。私の大学の人たちが百均で買ってきた材料を使ってそこに家を作り、住所不定になっていた。

防犯

ドアの覗き穴から覗かれるという犯罪があるというラインを親から賜ったので知らない女性の写真をドアに貼っておいた。

f:id:hyla26572256:20220213232229j:plain

これは正月に祖母の家に行った時に母が貰ってきたエプロンの袋に入っていた写真である。妙に気に入ったので下宿に持って帰ってきて冷蔵庫に貼っていたのだが、満を持して我が家を不審者の目から守る守護神として活躍していただくことにした。

落単

先日アンケートを覚えておくべく努力する者の手の写真を載せたが、なんと驚くべきことに1つ前のアンケートを忘れていたせいでスペイン語の単位を落としてしまった。出席も課題もテストも多少の漏れはあるもののちゃんとやったのにである。それはもうパニックになってまだ提出できる状態だったアンケートを提出してそのまま寝込んだ。数日間寝込んでいたので教授からのメールに気づかなかった。久しぶりにメールを開くと鬼のようにメールが届いており、そこには期間内に連絡したら単位を上げるということと私が無言でアンケートを提出したことに対するお怒りの気持ちが綴られていた。これを見た私は単位が来ることを知ってすっかり調子が良くなり、布団からスルルンと抜け出して(なんだかお通じが良くなるサプリの広告みたいだ)、ルンルンとお詫びのメールを書いた見事単位を取り戻した。

I

高校同期のIと高校時代の部活のr先輩が遊びに来た。r先輩まで家に来るとは思わなかったので部屋をきれいに掃除しておいて良かった。

皆でご飯を食べました。

中学時代の卒業式の話になってIが「起立」の一言で皆がザっと立つのが気持ち良いから好きだったなどとのたまっていたが、そんなのは民度の高い学校出身の戯言に過ぎない。私の学校では名前を呼ばれると咆哮で答える者、くだらないことでキレる教師、簡単な支持にも従えない愚民ども、ずっと立たされて倒れる者で地獄の様相を呈していた。ひな壇に登ると男子たちが取っ組み合いを始めて将棋倒しが起こり、全男子が巻き込まれて倒れ、何度ひな壇に登っても同じことが繰り返されついにキレた教師が「ひな壇に登らせない。椅子の前で立ち前を向いたまま卒業式をしなさい。」と言い出す始末であった。こんな調子なので週に何時間も練習させられる。私は練習のある日の前日は深夜までネットサーフィンを楽しんで練習時間を睡眠にあてていたが、正直この練習の存在だけでも公立中に入学する価値など0に等しい。気持ち良いとは何事ぞ。公立中への怨念が人の形をとった存在であるところの私を舐めないでいただきたい。

雨が降っていたので傘を持っていないIにどうするのと聞いたら「気合で」と答えたが、気合で何とかなる気がしなかったので一度家に戻って傘をIに持たせ、ついでに靴をスニーカーに変えようと思い戻った。すると家でIが寝始めた。私はr先輩にまだ使っている部活グッズを見せたりじゃがりこをもらったりしていたが、r先輩も寝始めてしまった。二人が適当なところで起きたので雨の中出かけることにした。

街を散歩しながら寺に行った。

ここで下宿を始めてから一番良い階段を見つけた。雨の日は雲が低く垂れこめて目の前の山までかかっているのが好きだ。山が燃えているみたいだから。

中学の時の塾の社会の先生がこれを牛乳プリンと呼んでいた。

ちょっとう〇ちみたい。

サイゼ

私が学生に人気の店を紹介しながら戻ってきた。皆でサイゼに入ったところで4人目の人物、sさんが現れた。この4人の関係は複雑である。(r先輩とsさんは1浪している)

私:Iの高校同期。r先輩の高校時代の部活の後輩。sさんの大学同期。

I:私の高校同期。r先輩の大学同期。sさんの高校時代の部活の後輩。

r先輩:私の高校時代の部活の先輩。Iの大学同期。sさんの高校同期。

sさん:私の大学同期。Iの高校時代の部活の先輩。r先輩の高校同期。

つまりこういうことだ。

f:id:hyla26572256:20220214005406p:plain

全員同じ高校出身なので大いに盛り上がったが、複雑すぎる関係のせいで敬語とため口が入り乱れ、最終的に誰が誰にどういう風に話しかけるのか誰もわからなくなっていた。

私はトニックウオーターと炭酸水とジンジャーエールと山ぶどうジュースと山ぶどうスカッシュを少しずつ混ぜたものやファンタとコーラを1:9で混ぜたものを飲んで楽しんだ。

サイゼに行ったら古今東西老若男女すべての人間がすること、間違い探しが始まった。今回の間違い探しはかつてないほど難しく、確実に神回だ。4人とも大学に入ってからおよそ発揮したことの無い集中力で間違いを探したがどうにも見つからず、本当に間違いが10個あるのか疑い始めるフェーズに入った。Iによると隣のテーブルの二人組はあっという間にすべて見つけてさっさと退店したのでやはりちゃんと10個あるらしい。それでも見つからず彼らは数の数えられない人たちだったのではないかという説が浮上してきた。ここでIが描かれている物の大きさを比べることに無類の才能を発揮した。彼女のおかげで最後の一つが見つかった。念のためテーブルに置いてあった紙に片方を写し取って重ね、一致しなかったその瞬間テーブルは歓声に包まれた。

※サイゼの間違い探しのネタバレです

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:hyla26572256:20220214011401j:plain

正直死ぬほど盛り上がった。Iには「大きさの覇者」という栄えある称号が贈られた。おしまい。