はいら日記

犬の顔にはめるバケツみたいな何かと数千万円するエルメスのバッグばっかり宣伝される

嵐山案内日記

昨日の夜、AとTを普段私が寝ている布団で同衾させて私は自分の寝袋で寝ていた。全員別々の寝具で寝る場合のことを考えてTに寝袋とマットを持ってくるように伝えていたが、彼女はマフラー敷けば大丈夫かなと思って持ってこなかったらしく。そんな軽装備でこの寒い早春の夜を超えられるわけがない。Tといい適当な上着で来たAといい皆個々の気候を舐めすぎである。私は仰向けだと寝付けないので狭いマットの上で横向きに寝ていたが、寝ている途中で仰向けになっていたらしく夜中に背中の冷たさで何度か目が覚めた。

二度寝していたら自分がワンダイレクションのメンバーになって何らかのパフォーマンスに出る夢を見た。自分以外は全員イケメンで歌も踊りも上手なのに私だけ不細工でその上なにも練習しておらず、歌ってみたら蚊の鳴くような歌声しか出せなかった。絶望してどうするんだこれとなっていた時に目が覚めた。

今日のAのポニーテール姿がとても可愛かった。Aは綺麗な顔をしているため大体なんでも様になるが、彼女のファッションセンスも私は好きで参考にしたいと思っている。Tも赤いコートがおしゃれであった。赤いコートに対する妙な憧れがあるのだが何故だろう。いつか私も着こなしたい。

二人を私のおすすめのモーニングに連れて行った。ここは桃の香りがする紅茶をポットごと出してくれるという気前の良さでかなり気に入っている。フレンチトーストと一緒に頼むと今日世界一充実した朝を過ごしているのは間違いなく自分だと確信できる。不思議すぎる弓道部の部長、信じられないくらい朗らかに浪人していったお嬢様、ガチでお血筋が凄まじい男子、なぜか漫画でしか見たことないようなヤンキーと付き合っていた優等生などなど同級生の話に花を咲かせていたらモーニングなのにお昼までいてしまった。

Aは京都に来るのが初めてらしいのでぜひとも嵐山を見せなければと思い連れていくことにした。ここで私はまたお得意の貧乏人根性を発揮して自転車を漕いでいくことにした。お高いことで有名な個々のバスに一銭でも落としてなるものか、私の大切な資産を1㎜でも奪われてたまるかの精神である。二人にバスの乗り方を教えてその場を後にし、向かい風にも負けず全速力で漕いでいったらバスなんかよりもよっぽど早く着いてしまいしばらく暇を持て余していた。

キモノフォレストを案内したが、今日はなぜかいつにも増して人が多く落ち着いて見れるような状況ではない。そもそもキモノフォレストの柱単体では大して良い写真は撮れない。これは人間と一緒に取ることを前提に作られた場所なのかと思って少し嫌気がさした。

パフェをまたしても食べた。こんなに頻繁にパフェを食べても良いものかと思ったが、ひそかに推している先輩は昼夜パフェしたことがあると言っていたのでまだ大丈夫だと思う。わらび餅がスライムかと思うほど柔らかく最高に美味しかった。そして夢みたいな量の抹茶アイスがミチミチに詰まっていて幸せそのものであった。しかし、大量のアイスは自転車を必死に漕いだ汗で冷えた体に追い打ちをかけてくる。温かいほうじ茶をたくさん飲んで何とかしようと思ったら、食事中に水分をたくさん摂るAに既にかなり飲まれてしまっていた。私以外はみんなうどんを食べていた。食べている時間以外は写真を撮ったり、窓から見える着物の女性を見て可愛い可愛いと話したりしていた。

Tのお土産を買うのに付き合った。みんなで漬物をたくさん試食した。

人間って他はつるつるなのに一部だけ滅茶苦茶毛が生えるの他の動物から見たら不気味だろうし、わざわざ毛を退化させて服を着ているのキモすぎるという話をした。

竹林の小径を案内した。今日は行楽シーズンではないのでさすがに人が竹より多いということはなかったが、それでも夏よりは沢山観光客が来ていた。竹の成長スピードはかなり速いので近隣住民を苦しめるにはその敷地内に竹を植えるのが一番という話を思い出した。

秋は山が一面に紅葉していてもっと綺麗だったが、冬も十分に風光明媚である。本当はトロッコに乗ったり天龍寺に行ったりもっと散歩を楽しみたかったのだが、そろそろTの新幹線の時間が迫っていたのでもう帰ることになった。私だけまた自転車に乗って先に帰ってのだが、バスを待つ二人の前を通り過ぎる時に「おっ先~」と叫んだら不意打ちを食らったらしくとても驚いていた。

またしても私の方が先に家に着いて二人を待っていたら、二人とも戻ってくるなり荷物を掴んで私に別れを告げ出て行ってしまった。

こうしてたまに人が来てくれると、名所を案内する中で自分も旅行しているような気分になれて楽しい。もっと見せたい場所もあったし、かなり過密スケジュールで二人を連れまわしてしまったので次はのんびり今回行けなかった場所を案内して回りたいと思う。

おしまい。